愛憎の物語
人によって好き嫌いがはっきり分かれる「ペサパッロ(フィンランド式野球)」。学校ではよく、野球が上手いキャプテンがチーム分けをする。上手な子から順に指名されるので、いつも初めに選ばれる子はこの国民的スポーツを心から愛し、最後になってやっとどちらかのチームに引き取られる子は、心から憎悪する。ところがその憎しみを乗り越えて、裏庭や校庭で、同僚や友達と、結局ひと夏じゅう誰でも興じてしまうのがペサパッロ。フィンランド人がこのスポーツを愛して止まない理由は、「フィンランド式なだけにフィンラド人が毎年必ず世界チャンピオンになれるから」である。